CMO Japan Summit 2019

株式会社ディノス・セシールのCECO、石川 森生氏による「アナログとデジタルの融合:老舗通販会社が挑戦する新しいライフスタイルの提案」
 

 
EC業界は、CX(customer experience)をどうするかが課題となっています。
アマゾンが全米ECに占める割合は44%と高いものの、アマゾンが全米小売に締める割合はわずか4%とのことです。
CX(customer experience)は、洋服であればスマホで検索して、リアル店舗に試着に行くといったようにECで全ては完結しません。
アナログが持つ顧客価値をテクノロジーの力で再定義し、新しい顧客価値を創造することが、マーケッターに求められることだと石川氏は述べます。
 
ディノス・セシールのアプローチとしては、リアルな接点としてカタログを利用すること、カタログは、潜在ニーズを掘り起こすことができます。
カタログの希少性は、近年あがっており、特に20代のデジタルネイティブ世代は、紙での経験が少ないからこそ、アナログなカタログという媒体がリッチな体験として認識されると、石川氏は述べています。
 
今年の全日本DM大賞で、グランプリを獲得したディノス・セシールのパーソナライズDMの内容としては、以下の2つの施策になります。
(1)カートに入って離脱した商品に対して、24時間以内にパーソナライズしたDMを送付
(2)ユーザーの購入データを基に、AIを活用し、インスタグラマーの写真でコーディネート提案するDMを自動制作
 
紙とウェブの相互補完という観点から、サイト内で得られる中間データを活用し、パーソナライズされ、かつリアルタイムな販促を紙で行うことで成果を挙げられた大変興味深い講演でした。

閉会基調講演

アルマ・クリエイション株式会社 の代表取締役 兼 作家、神田 昌典氏による
「ポスト平成に生きるCMOへ:マーケティングにおける変革と不変の選択」

 

 
令和で求められるCMO像としては、「多様性を原動力とし、質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していく」ことが適切か?という問いかけから始まった神田氏の講演。
実は、上記は、高校生の新学習指導要領の一節だそうです。
2022年度から、30年ぶりの大改修により、探究学習が取り入れられるとのこと。
生徒自らが課題を見出し、解決に必要な知識や技能を獲得していく学習で、イノベーティブな人材をつくることを目指しています。
 
教育の歴史的変化により、マーケッターは目的の再構築が求められている、変化のあるところにビジネスチャンスがあると神田氏は述べます。
 
日経MJに連載された神田氏の「大阪万博、各地の中小企業に提案」では、大阪万博で独自の強みと技術を生かして地域の社会問題に挑む中小企業が、構想や戦略を展示できるブースを設けることを提案されています。
大学を新規事業を生み出す拠点とし、産学連携のプロジェクトを始めるきっかけとする、ファンドの創設など具体的な提案がされており、マーケティングは、商品を売ることから市場を創ることへシフトしているとの神田氏の言葉が、実感されます。
 
CMOの役割としては、インサイトをどうやって見出すか、ストーリーをどのように創出し、探究していくか、が求められると最後の質疑応答で述べられており、マーケッターが社会全体への果たす役割について考えさせられました。

まとめ

2日間のサミットを通じて、CMOの役割とは、「企業のブランドの価値創造に関わる役割を果たすこと」、「今のやりかたを変えることを恐れず、新しいことを試すことにこだわりつづけること」、「データを超えて顧客の潜在ニーズを探し当てること」であると感じました。
 
基調講演、ケーススタディー、パネルディスカッションで構成されたCMO Japan Summitのプログラムは、 大変充実しており、コーヒーブレイクやネットワーキングランチの時間には、日本を代表するCMOの熱心な交流が見られました。

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ライター:アド論 編集部


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