ATS TOKYO 2017「マーケターが考える広告クリエイティブ×プログラマティック×データの未来」

 
ATS TOKYO 2017は、プログラマティックな広告業界の最新トレンドと未来を語るイベントです。国内外で注目されている企業が数多く登壇する中、GMOグループのBtoB、BtoC、CtoC、各事業会社担当の方々と名古屋商科大学・大学院 教授 山岡氏による「マーケターが考える広告クリエイティブ×プログラマティック×データの未来」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。(2017年10月3日)

 

■ディスプレイ広告におけるクリエイティブ施策の投資対効果向上影響力

GMO NIKKO株式会社 冨岡 信之(以下、冨岡):
まずはこちらをご覧ください。

冨岡:
今回のテーマがクリエイティブということなので、当社のディスプレイ広告におけるクリエイティブ施策の影響力を数値でまとめました。
クリコンとはクリエイティブコンサルティングの略で、運用型広告をクリエイティブ視点で投資対効果を最大化する組織です。
ご覧のとおりクリコンの有無で10ポイント以上成長率(前年同期比)が異なります。
運用型広告のクリエイティブ施策に課題を持たれている企業やマーケターの方は多いと思います。その課題にどう立ち向かうのかといった視点で、今日のセッションを進めたいと思います。

■クリエイティブ施策の課題

冨岡:
1つめの質問です。現在のディスプレイ広告におけるクリエイティブ施策の課題は何ですか?

GMOペパボ株式会社 杉山 寛(以下杉山氏):
minneというサービスは「ハンドメイド」という商材を扱っている性質上、世界観やブランドが非常に重要です。しかし獲得目線ですと、どうしても価格などを出した方が刈り取りには効率的であり、世界観とのバランス感が難しいです。時にはCPIで10倍ほどの差がつくこともありました。

GMOクリック証券株式会社 岡本 剛典氏(以下岡本氏):
こちらをご覧ください。

【バナー広告の好感度とCTRの関係】

岡本氏:
こちらはバナー広告がどのような印象を与えたのかについて調査したものです。特に注目してほしいのは【1】です。CTRは一番低いですが、好感度は一番高い結果となっています。普段はCTRを意識した広告の運用を行っているので、【1】は排除してしまうのですが、潜在顧客を集めることのできる広告は必要だと感じており、別の軸を持つ必要があるのではないかと感じています。

冨岡:
お二人からブランドの世界観と刈り取りの共存は難しいという課題が出ていますが、山岡さんはどうお考えですか。

名古屋商科大学・大学院 山岡隆志氏(以下山岡氏):
刈り取りとブランディングで思うことですが、以前からユーザーの興味関心をファネルモデルで表すことが多いです。新規を広く集客し、クリエイティブを変えながら態度変容を促し、最後の獲得にまでつなげるというもので、これは結果的に刈り取りモデルにしかなりません。

【従来型のファネルモデル】

山岡氏:
どこの企業にも「販売・営業」「マーケティング」の機能があります。販売・営業は製品起点で「何を売りたいか」を考えます。マーケティングは顧客起点で「顧客は何を買いたいか」を考えます。そういう意味で言うと刈り取り広告は「販売・営業」の仕事と言えます。しかし回りを見ると「デジタルマーケティング部」が刈り取りを行っていることが多々あります。「デジタルセールス部」はほとんど聞いたことがありません。本来刈り取り施策はセールス部にあるべきなのではないかと考えています。

冨岡:
桐原さんはどうお考えですか。

GMOインターネット株式会社 桐原 悠氏(以下桐原氏):
仰る通りで当社もここで言う「マーケティング」に向き合う余地はまだまだ大きくあると感じています。

冨岡氏:
とはいえ「ドメインといえばお名前.com」というブランディングはできていませんか?

桐原氏:
現在はデジタルで刈り取りに特化して広告出稿していますが、以前は刈り取りではなく、ターゲットとされる人が読む雑誌などでブランド訴求を行っていました。それが今の礎になっているのかと思います。

■クリエイティブ施策での取り組み

冨岡:
2つ目の質問です。クリエイティブの施策領域で注目している取り組みは何ですか?

岡本氏:
組織の作り方を変えました。大きく3つに分かれており「メディアプランニング」「コミュニケーションデザイン」「デジタルマーケティング」があります。
メディアプランニングには全てのメンバーが所属しており、各広告メニューを使っていかに効果を出すかを考えます。コミュニケーションデザインではクリエイティブでどう成果を出すかを考え、認知目的などを担当しています。刈り取り系のメニューを扱うメンバーはデジタルマーケティングに所属して、獲得数を追っています。コミュニケーションデザインは全く数値を見ないわけではないですが、人に注目することを大切にしています。お客様がどういう生活を営んでいるか、どういうコミュニケーションが届くのかということを考えて、従来の固定概念に捉われないクリエイティブ作成を目指しています。
新垣結衣さんを起用した広告の出稿経験からこのような組織の必要性を感じました。

山岡氏:
組織を分けることは重要ですね。他業界でもマーケティング部署がそもそも存在しなかったり、営業の中に入ってしまっていたりと、独立した部署としてマーケティングが存在していない組織が見受けられます。
販売とマーケティングは全然違うものなので、分けて考えるべきです。販売は費用なので投下を止めると止まってしまうものです。一方マーケティングは投資なので、長期的にリターンを求めて行うものです。販売は現在の売上を目指し、マーケティングは顧客満足を目指す未来志向のものです。見ている立ち位置や目標が全く違いますので、組織や人材は分けるべきだと考えています。マーケティングでブランドという無形資産を積み重ねることで、販売にも良い影響が出るので、お互い助け合い、相乗効果を出していければよいのではないかと考えています。

冨岡:
どのように進めるのが良いと思いますか。

山岡氏:
顧客のロイヤリティを考えたファネルを元に、ループモデルを作っていくべきだと考えています。見込み客から徐々に上がっていき、擁護者・推奨者になってもうようにします。そして擁護者・推奨者には新たな見込み客を集めてもらえるようなループを生み出すことが理想です。このようなループが起きる広告施策を考えていくべきかと思います。

【ロイヤリティループを促す広告配信】

冨岡:
このロイヤルティループを実現するためには顧客データをどう集めていくかが重要になってくると思いますが、minneでは何か施策を行っていますか。

杉山氏:
ロイヤリティを上げるために、データを使うということで、minneではログ基盤を整備してデータを活用しています。現状、初回購入、リピートなどポイント毎では追えているのですが、線になっておらず、ループさせることもできていないので、今後作っていきたいと考えています。

冨岡:
その他に取り組んでいることはありますか。

杉山氏:
作家さんが作り撮影したものが商品画像になっているため、効果の良いクリエイティブの再現性が難しいです。また同様の理由で、商品名は作家さんが決めるため、商品名での検索も難しいです。以上のことから画像の解析で課題を解決していきたいと考えています。
社内のエンジニアが機械学習を取り入れて、画像の特徴の類似によってサイト内のレコメンドを行っています。この技術を広告クリエイティブにも活用できると考えています。

【機械学習を活用したレコメンド機能】

1 2
ご相談はこちら
photo

ライター:アド論 編集部


Contents

ico人気記事