動画広告で重要視されるビューアビリティ問題

2016/1/21

ここ1年でディスプレイ広告のViewability(ビューアビリティ)という言葉をよく耳にするようになりました。マーケッターは、消費者が広告を見た場合にのみ広告費を支払うべきだと考えるようになり、よりビューアビリティに関して問題視されるようになりました。

動画広告も配信される、ディスプレイ広告枠の課金形態の多くがcpm(1,000回表示に対しての課金)であるため、そのディスプレイ広告の表示がユーザーの「視覚」に入って表示・再生がされているのかどうか、という議論が巻き起こります。
米国において、ビューアビリティがより問題視されるようになったのは、 動画(ビデオ)広告の普及や、プログラマティックの浸透により、見られてもいない広告にお金を支払っているという課題が顕在化したためです。

そのため、多くの大手広告主が自社でベンチマークを設定し始めると共に、業界全体ではIAB(Interactive Advertising Bureau)やMRC(Media Ratings Council)によりスタンダードが設定される等、ビューアビリティに関連した動きは活発になっています。
AOLの調査によると、2016年度は、従来テレビ広告に使っていた予算の多くをビデオ広告に回す、と回答したブランド広告主が多く、今後よりビューアビリティに注目が集まりそうです。日本においてもビデオ広告が今後普及していくと予想されるため、本記事では、ビデオ広告とビューアビリティ問題についてご説明します。

ビューアブル

まず、ビューアビリティを考える上で、ボット(Bot)により広告が表示されるフラウド(不正・詐欺)とは切り離して考える必要があります。
ビューアブル(視聴可能)の定義は、下記のような図で表され、フラウドトラフィックは完全に排除します。

【出典】TubeMogul

ここで、Measurable(計測可能)という概念が出てきますが、文字通り計測がされた広告トラフィックを指し、ビューアビリティレートを測る際は、
Viewable÷Measurable×100
の計算式で算出します。
Measurability(可測性)が上がれば上がるほど、ビューアビリティレートを測りやすくなり、広告の最適化も行いやすくなるので、Measurabilityの高い広告配信プラットフォームを選出することが、ビデオ広告をしっかりと運用する上で重要です。
では、Not Measurable(計測不可能)に該当する広告とはなんでしょうか?
これは広告配信プラットフォームの技術にも左右されますが、例えばiframe内で表示された広告がこれまでは代表的なものになっていましたが、最近ではiframe内の広告も計測ができる技術が出てきているようです。

動画(ビデオ)広告に早くから取り組んでいる企業は、特にこのビューアビリティレートに重点を置いた最適化を図っています。

広告主として意識すべき点がいくつかありますが、ビューアビリティレートを向上させるために有効な手段として、プログラマティック・ダイレクト取引が最も有効な手段と言われています。プレミアム枠を直接買うことで、50%台のビューアビリティレートが望めますが、vCPMで見ると必ずしも安いわけではないため、広告フォーマット(モバイル、プレロール、コネクテッドテレビ等)の配分を最適化することも重要な要素となります。

最後に、FacebookとGoogleが3rdパーティのビューアビリティ測定ベンダーのMOATを採用したことが記憶に新しいですが、ビューアビリティに関する透明性を提供することがいかに重要かが分かる動きです。
今後Facebookにおいては、1.動画が表示された瞬間に課金されるパターン、2.動画が実際にすべて再生された場合、3.部分的に再生された場合に課金される仕組みを構築中のようですので、より効果を追求できるビデオ広告プラットフォームとなるでしょう。

動画広告市場の成長においても、ビューアビリティに関する対応は切り離せません。

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ライター:中村 健太郎


GMOアドパートナーズ株式会社 海外事業推進室 エグゼクティブマネージャー 兼 GMO GameCenter USA, Inc. ディレクター
米国在住歴14年。慶應ニューヨーク学院高校を卒業し、慶応義塾大学経済学部卒業。
金融業界、インターネット音楽配信業界を経て、2008年6月にGMOインターネット株式会社に入社。
2011年よりサンフランシスコに渡り、一貫してモバイルアプリ事業、モバイルマーケティング、海外企業とのアライアンス交渉等のビジネス開発を担当。

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