モバイルアプリ リターゲティング ~ データとセグメンテーション ~

2015/1/13

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昨今のモバイルマーケティングは、アプリインストールでのユーザー獲得から、それらのユーザーをより売上に繋がるアクティブユーザーに変えていくことがより重要になってきています。

インストールされたアプリの75%以上が、一度しか起動されないといった調査データもあります。つまり、アプリをインストールしたユーザーへ、どのようにコミュニケーションを取っていくかが、より重要なマーケティング活動になるわけです。

そこで注目され始めたのが、リエンゲージメント(アプリダウンロードしたユーザーへのリターゲティング)広告です。

本記事では、米国では既に主流となっている、モバイルアプリリターゲティング広告について解説します。

 

モバイルアプリ リターゲティング(リエンゲージメント)広告とは何か:

一度自社アプリをインストールしたユーザーに対して、それらのユーザーが別アプリを利用している時や、ウェブサイトを閲覧しているタイミングで、当該アプリへユーザーを呼び戻すために表示する広告です。呼び戻したいユーザーを、端末識別子を用いて ターゲティングをするため、細分化したクラスタ(集団・群れ)をターゲティング設定することが可能となります。

リエンゲージメント広告経由でアプリに戻ってくるユーザーはROIが非常に高いことから、多くのマーケッターは、リエンゲージメント広告を新規アプリインストールのマーケティングと同じくらい、もしくはそれ以上に重要視しています。

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【出典:AdRoll.com】

 

米国でのリターゲティング注目度は?:

モバイルのみに限った話ではありませんが、サンフランシスコ発のリターゲティング広告スタートアップのAdrollのアンケート結果によると、90%以上のマーケッターが、リターゲティング広告をEメールや検索連動型広告と同じくらい重要だ、と回答しています。

下の図のアンケート結果を見るとわかる通り、71%のマーケッターが全体広告予算の10 – 50%をリターゲティング広告に充てると回答しています(図左上)。これは前年比で18%の増加となっており、いかにリターゲティング広告が注目を集めているかが分かります。また、54%がモバイルでリターゲティング広告を使用しており、これは昨今モバイルのターゲティング技術、トラッキング技術が大きく進化したことが要因となっております。

 

しかしながら、下記図の回答結果の通り、3割のマーケッターがまだしっかりとアトリビューションを計測する重要度を理解していないという現実もあります。赤枠で囲いましたが、アトリビューションを計測しているが、どのように活用していいか分からない、そもそもアトリビューションについて知らない、という回答が31%もいるのです。マーケティングを成功させる大前提として、どこから来たユーザーが売上・コンバージョンに繋がっているかをしっかりと理解する必要があります。 広告経由の流入ユーザーなのか、自然に入ってきたユーザーなのか、それとも広告経由でアプリをインストールしてその後リターゲティング広告で呼び戻したユーザーなのか。これをしっかりと計測・分析・活用するサイクルを構築することがキーポイントとなります。今の技術ではいずれも計測可能ですので、アトリビューション計測について自信がないマーケッターの皆様は、是非勉強してみてください!

※ここでのアトリビューションとは、流入経路を意味しています。

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【出典:AdRoll.com】

 

アプリ利用ライフサイクルの中で休眠ユーザーを呼び戻す:

 

モバイルリターゲティング広告は、ユーザーがアプリ(全般)を利用している際に、自社アプリ広告を表示し、呼び戻すことができます。リターゲティング広告を表示させたいユーザーセグメントを予め定義し、それらのユーザーを呼び戻し、有益なユーザーへ転換していきます。ユーザーセグメントの一例として、休眠ユーザーを起こす、非課金ユーザーを課金ユーザーへ転換する、等様々ですが、目標を設定し、しっかりとターゲティングするユーザーのセグメント分けが非常に重要な要素となります。

 

ユーザーセグメント例:

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モバイルリターゲティング広告のプロセス:

※クリックで拡大

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データクオリティとセグメンテーション:

データのクオリティとセグメンテーションは、リターゲティング広告を成功させる上で非常に重要な要素となります。ユーザーのアプリ内回遊データが細かければ細かい程、ユーザーセグメンテーションの最適化が可能となり、結果リターゲティング広告の精度は向上します。

アプリインストール後の行動分析は、通常アプリ解析ツールを用います。より高度なセグメンテーションを行うためには、インストール後の購買イベントのみを追跡するのではなく、すべてのアプリ内行動を追跡する必要があります。そうすることにより、似たユーザー属性同士を同じセグメントに入れ、リターゲティング広告の内容にバリエーションを持たせることができるようになります。

例えば、

1.買い物カゴに商品を入れたけど、購入には至らなかったユーザー

2.商品Aを購入したけど、商品Aの付属品を買わなかったユーザー

3.ゲームアプリを起動したけど、チュートリアルを途中でやめたユーザー

の3つのセグメントをつくったとすると、

1には購入完了を促す広告、2には付属品の購入をレコメンドとする広告、3にはチュートリアルを突破したら、こんなアイテム手に入りますよ、といった広告を、といった形でそれぞれのセグメント別に、リターゲティング広告を表示させることができるようになるのです。

これを実現するには、高度なアプリ内解析が必要不可欠となるのです。

 

次回は、リターゲティング広告をより効果的に行うための、ディープリンキングについて解説します。

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ライター:中村 健太郎


GMOアドパートナーズ株式会社 海外事業推進室 エグゼクティブマネージャー 兼 GMO GameCenter USA, Inc. ディレクター
米国在住歴14年。慶應ニューヨーク学院高校を卒業し、慶応義塾大学経済学部卒業。
金融業界、インターネット音楽配信業界を経て、2008年6月にGMOインターネット株式会社に入社。
2011年よりサンフランシスコに渡り、一貫してモバイルアプリ事業、モバイルマーケティング、海外企業とのアライアンス交渉等のビジネス開発を担当。

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