プライベートDMPの基礎知識(第3回)  ~導入成功のために明確にすべき4つのポイント~

2014/10/23

前回までのコラムでは、プライベートDMPの概念と活用例について紹介してきました。

おさらいの意味で、プライベートDMPの役割を簡単に整理すると、

①自社Webサイトの行動データ、顧客データなど、企業が保有・収集可能な複数のオーディエンスデータを統合する。

②統合したオーディエンスデータをセグメント化する。

③セグメント化したオーディエンス毎に最適なコミュニケーションを実施する。

この3つの要素に集約することができます。

 

オーディエンスの特性を明確化し、オーディエンスそれぞれの特性に合わせた最適なコミュニケーションが 実現できるプライベートDMP。

但し、前回のコラムでも少し触れたように、導入を成功させるためには導入前にいくつかのポイントを明確にする必要があります。

 

導入成功のために明確にすべき4つのポイント

それでは、導入前にどのようなことを明確化すればよいのでしょうか? 重要な4つのポイントをまとめてみました。

 

①導入の目的とKPIはなにか?

これは4つの中でも一番重要なポイントです。

プライベートDMPの導入によってターゲティングやコミュニケーションの可能性は確実に広がりますが、プライベートDMP単体だけでは何もできないのも事実です。

プライベートDMP導入の目的とKPIを明確にし、それを達成するためにはオーディエンスをどのようにセグメントしてそれぞれにどのようなコミュニケーションを実施すれば良いのか?を設計、そのために必要なデータを取り込み、必要なコミュニケーション手段と連携することで初めてプライベートDMPは機能します。

つまり、最初に目的とKPIを明確にしておかなければ、そもそもプライベートDMPの導入設計自体できないということになります。

また、当然ではありますが、導入目的とKPIは、その企業が抱えている課題を解決する為のものでなければなりません。

参考ではありますが、プライベートDMPの導入目的はざっくり分けると以下の3つのパターンのいずれか(または複数)であることが多いようです。

 

<ユーザを育てるコミュニケーション>

プライベートDMPの王道といってもよいパターンです。ユーザのステージ(サービス関与度合)を切り口にセグメント化し、セグメント毎に最適なコミュニケーションを繰り返し行うことでより高いステージ(優良ユーザ)に育てるのが目的になります。

 

<デバイス・チャネルをまたぐコミュニケーション>

店舗ユーザへのWebコミュニケーション(またその逆)、デバイスをまたがったターゲティングコミュニケーションなどがこのパターンに当てはまります。本来はつなぐごとが難しかった異なるチャネルやデバイスのコミュニケーションですが、それぞれのオーディエンスデータを統合管理することによりそれを可能にします。

 

<ユーザを広げるコミュニケーション>

優良顧客データに基づいたルックアライクターゲティング、3rd Partyデータとの連携配信など、新規ユーザ開拓を目的としたコミュニケーションがこのパターンになります。但し、プライベートDMPの特性上、できることや精度は連携するデータやDSPなどに依存する部分が多くなってしまうのは否めません。

 

②どのような条件でセグメント化したいのか?

プライベートDMPの導入目的とKPIを明確にすることで、目的を達成するためにオーディエンスをどのようにセグメント化すればいいのか?を考えることができます。

例えば、新規顧客を優良顧客に育てるのが目的ならば、顧客の購入ステージ別(新規、トライアル、休眠・・・など)でセグメント化するのが良いでしょう。

ちなみに、この段階ではざっくりレベルのセグメントイメージができていれば問題ありません。

 

③どのようなデータが必要なのか?

ここでは②で明確にしたセグメントを実現するためにどのようなデータが必要か?を検討するのですが、実はこのポイント、思わぬ障壁が隠れていた、ということが多いポイントでもあります。

その障壁とは「組織の壁」です。使いたいデータが別の部署の管轄だったため利用することができなかった、データベースを管理している部署を容易に動かすことができなかった、といった理由でプライベートDMPの導入を諦めた、という話は、実はそれほど珍しいことではないのが実情です。

プライベートDMPをスムーズに導入し、データ資産を最大限に活用するためには、組織を横断した企業ぐるみのプロジェクトとして臨むことが理想といえるでしょう。

 

④セグメント毎に最適なコミュニケーションを実現可能か?

目的を達成するためにどんなに良い切り口でオーディエンスをセグメント化しても、セグメント毎に最適なコミュニケーションをとることができなければ全く意味がありません。

それらセグメント毎に最適なコミュニケーションを設計するのはもちろんのこと、それを実現できるアプローチ手段(DSP、メール配信サーバ、CRMツール・・・など)と連携がきちんと取れることの確認が重要になります。

 

①~④のポイントを、簡単にイメージ化してみました。

アド論コラム用画像

 

 

 

 

 

もちろん導入の「目的とKPI」は一つではないことの方が多いと思います。

その場合も、それぞれにこの①~④のポイントをあてはめ、実現の可能性やもたらす効果を考慮し、優先順位を決めて導入計画を検討いただくことをお勧めします。

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ライター:神津 洋幸


ストラテジックプランナー、リサーチャー。 Webプロモーションの戦略立案、Web広告効果の分析・オプティマイズ、各種リサーチなどを担当。前職はマーケティングリサーチ会社にて主に広告効果の調査・分析・研究業務に従事。2004年より現職。

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