ソーシャルメディア広告が変えるモバイルアプリインストールとリテンション促進の新潮流

2014/6/20

最近、国内の某ニュースアプリが、テレビ広告費に約10億円程度を投下していたことがネット上のちょっとした話題になりました。このプロモーションでは、CM放送後1ヶ月余りで利用者が70万人程増加したと報じられています。

これを単純計算すると、1ユーザーの獲得単価は1,400円程度になりますが、新規ユーザーの獲得以外にもPVの増加、DAUやランキング上昇、また広告主の増加や広告収入の増収など多くのよい影響をもたらし、投資成果は得られたようです。

どのアプリ開発者も、このような大型の広告投下ができればよいのかもしれませんが、なかなかそうはいかないのが実態です。しかし、現状はアプリ開発者間の競争がますます激しくなっていることは事実です。


【スマホアプリの熾烈なプロモーション競争時代への突入】

下記の表1はForbes、また表2はTechCrunch掲載された、iOS、Android、Microsoftのデバイス数、アプリ数、アプリ開発社数、ダウンロード数、アプリへの支払金額等に関する統計データを引用し加工したものです。上段は昨年5月時点、下段は今年6月現在です。

表1を見ると、2013年5月時点では、例えばApple向けアプリの場合、1ダウンロードあたりの売上は0.1ドル、また1アプリ当たりの平均売上は4,000ドルと低めであるのに対し、アプリ数は開発者数は23万5千、アプリ数は125万本となっており、アプリ競争は大変に激しい状況にあること言えます。

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出典: Forbes – How Much Do Average Apps Make? / TechCrunch – iTunes App Store Now Has 1.2 Million Apps, Has Seen 75 Billion Downloads To Date

また、ユーザー側を見ると、端末1台当たりのダウンロード数は83アプリとなっており、かなり多くのアプリはダウンロードされている印象はあります。一方、Localyticsが公表したデータでは、ダウンロードされたアプリの66%は、起動回数が1~10回以内にとどまっているとの分析を公表しています。こうしたことから、ダウンロード後にアプリを継続的に使ってもらい、ユーザーのデバイス上で生き残るアプリになれるかどうかが開発者にとっての課題であると言えるでしょう。

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【リワード広告に代わる広告手法の多様化】

これまでアプリプロモーション手法といえば、リワード広告、CPI、アドネットワークへの出稿とそのブースト効果によるランキングアップが主流でした。もちろん、そうした手法は現在でもある程度有効とされる手法です。

しかし、AppStoreやGooglePlayのランキングロジックの変更や、広告主間の競争激化により、ブースト施策時の自然流入数も傾向にあり、またマーケット側が今後どのような変更を行っていくのかの見通しを立てることは非常に困難な状況です。

また、前述のとおり、アプリがインストールされた後にも、多くのアプリがマネタイズに苦労している状況があります。先日、米アップル社がレビューガイドラインの変更を行い、アプリが使用される地域のあらゆる法律を順守していることを前提として、アプリで仮想通貨の利用を許可しましたが、現在のスマートフォンアプリのトレンドは、インストールされた後にユーザーのアクティブ度を高めた上で、いかに課金するかという視点に移っていることは間違いないでしょう。

そのような状況の中で、以前よりFacebookがリリースし引き続き好調であるアプリインストール広告と同様に、最近、Twitterが新しくアプリインストール広告を開始しましたのでそれらについてご紹介します。なお、国内でのTwitterのアプリインストール広告のリリースは今のところ未定ですが、日本のTwitterユーザーも海外アプリの広告は目にすることができますから、国内でも近いうちにリリースさせるものと想像できます。


【Facebook :モバイルアプリインストール広告】

Facebookのモバイルアプリインストール広告については、すでにご存じの方も多いと思います。Facebook社は公表していませんが、モバイル広告収入の50%以上がアプリインストール広告によるとの噂もあります。また、アプリストアランキングで上位のディベロッパーの大多数が利用しており、必須のマーケティング手段となっている様子がうかがえます。

さて、この広告の特徴は、facebookユーザーの利用頻度が高いニュースフィード表示されることが挙げられます。また、一般的なモバイル広告で画面下に表示されるバナーと比較すると、広告の表示面積が非常に大きく画面の大部分を広告が占有するかたちになり、高い訴求力を持つことは一目瞭然です。

そして、配信された広告をクリックすると、facebookからApp StoreまたはGoogle Playのアプリダウンロード画面へ直接遷移しますので、非常に強力に誘導を促進することができます。

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さらに、専用のSDKをアプリに設定することで、アプリの合計インストール数や1日に起動される合計回数、またユーザーがアプリで何をしているのかのアプリイベント数(事前に定義した14個のイベント)等を計測することもできます。例えば、コマースアプリでは「カート追加」、ゲームでは「アチーブメント達成」などがあります。また、Facebookでのモバイル広告によるエンゲージメントとROIを理解するのに役立つカスタムイベントもあります。

ターゲティングは、年齢、性別、国、言語、趣味・関心、デバイスで絞り込むことができるほか、カスタムオーディエンスの設定を使用して、すでにアプリをインストールしているユーザーに類似した新しいユーザーにリーチすることができます。

そのボタンをクリックした場合は、アプリを起動させてアプリ内の特定の場所に直接リンクすることができます。これにより、例えば特別プランなどを宣伝したい旅行アプリや、アプリインストール後に休眠しているユーザーに新イベントへの参加を促して呼び起こしたいゲームアプリなどに利用できます。このほか、すでにインストールしているが、その後使わなくなってしまったユーザーをもう一度アクティブにするための「ユーザーの呼び戻し」の機能があります。

これは、まだアプリをインストールしているユーザーには、「インストールする」というコール・トゥ・アクション(行動喚起)ボタンが表示されるのに対し、すでにインストールしているユーザーには、「アプリを利用」「ゲームをプレイ」「予約する」といった行動を喚起するボタンを表示するように設定できるものです。また、課金体系は、CPC入札とクリック数が増えるように入札価格を最適化する方法があります。

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この広告はゲームアプリやEコマース系のアプリなどに幅広く利用されており、それらの成功事例はFacebook for businessにて多数紹介されています。今話題の「Hotel Tonight」の事例も掲載されており、「標準のモバイルバナー広告と比較した、モバイルアプリのインストール広告からのクリックインストール率は10倍」、また「主要な市場でのインストールあたりのコストとの比較は30%」という結果が報告されています。

成功事例 Facebookビジネス


【Twitter :モバイルアプリインストール広告】

Twitterも、Facebookとよく似たモバイルアプリインストール広告を現在テストしています。日本のTwitterユーザーにもそのテスト中の広告が配信されていますが、正式なリリース情報についてはまだ未発表です。しかし、日本の広告主も、もうしばらくすれば利用できるようになると予想されています。

この広告は、Twitterカードの形式で配信され、ユーザーのタイムランに表示されています。Facebookと同様に、広告がスクリーンの大部分を占有するので訴求力は高いといえます。

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また、ディープリンク機能を実装することができます。ディープリンク機能とは、簡単に言えばアプリ内のコンテンツに対して直接リンクしてユーザーを誘導できる機能です。既にアプリをインストールしているユーザーの場合、リンクをクリックすると、アプリを起動させアプリ内のコンテンツを表示します。インストールされていない場合はアプリストアのダウンロード画面が表示れます。この機能は、マークアップタグの追加によって実装できます。

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今回は、FacebookとTwitterのモバイルアプリインストール広告についてご紹介しました。アプリによるビジネスが、顧客のLTVにフォーカスされている現在、両社の広告やディープリンク機能は非常に有益なものとなっていると思います。また、この両社以外にも、Googleがモバイル版でのGoogle検索やYouTubeでモバイルアプリインストール広告を表示するという動きもあります。今後も様々なメディアにおけるモバイルアプリインストール広告の動きをウォッチしてご紹介したいと思います。

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ライター:アド論 編集部


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