ターゲティング設計・ユーザーの【質】を考える

2014/5/13

 

前回私の投稿の中で【オーディエンストレンド】のお話しをさせていただきました。
詳しくは、ぜひ前回の投稿をチェック頂ければと思いますが、概要を簡単にまとめますと、

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<オーディエンストレンドとは>
【広告配信において、単価を安く配信できるメニューが、ユーザーの集客方法として必ずしも優れているのか?】を検討評価するための方法となります。
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今までのネット広告でのユーザー集客方法は、「単価(例えばCPCなど)がより安いメニュー=検討できるメニュー」という選定基準がある事も多かったように思います。

これは全てが間違いではありません。
プロモーションにおけるゴールを目的とした目線で見た場合、ユーザー1人を集客単価が安い方が獲得単価が安く抑えられる可能性は高いと考えられるからです。

しかし、これはあくまで獲得単価の決定要素の中での「価格」の部分にだけ、スポットが当てられての定義になります。

CPAについては、もうご存知の方もいらっしゃると思いますが、改めて式で考えていきたいと思います。

▼CPAの計算式
CPA(獲得単価)=コスト÷CV

▼CVを決定する計算式
CV=クリック×CVR(コンバージョン率)


上記2つの計算式を組み合わせると
CPA=コスト÷(クリック×CVR)
つまり、
コスト÷クリック=CPC
なので

CPA=CPC÷CVR・・・
になります。

何が言いたいかと申しますと、
CPAを決定するのは、CPCとCVRの両方を考慮する必要がある
ということです。

CPCの考慮だけでは、CPAの要素を構成する片方の部分にしか触れておりません。
では、もう一方のCVRを上げるためにはどのようにすればよいのか?
私は、それが【ターゲティング】だと考えております。

ターゲティング配信を実施すると、一般的に単価は上がります。
上記のの式でいうCPCの部分が上がってしまう恐れがあります。
つまり
CPCの上がり幅に対しCVRの上がり幅が大きくなれば、
計算上、CPAは下がることになります。

 

弊社で実際に、その内容を可視化し検討してみました。
(画像クリックで、拡大された画像が表示されます)

SnapCrab_NoName_2014-5-13_12-2-10_No-00

実施した内容は、2つのDSPを使い、流入⇒コンバージョン(刈り取り)までの流れを可視化したものになります。
【マーク】(黄色背景) :リターゲティングユーザーを作り出すための
「ターゲティング・ノンターゲティング配信による流入施策配信」
【刈り取り】(青色背景):「リターゲティング配信」
【TOTAL】(緑色背景):【マーク】の配信結果と【刈り取り】の配信結果を足し上げたもの

 

例えば、最上位の①の配信に関して説明します。

【マーク】 DSP A キーワード(kw)拡張配信 』 というのは、
新規ユーザーを流入させる配信を、DSP Aのkw拡張配信というターゲティングで行ったことになります。
その配信で集めたユーザーを、『【刈り取り】 DSP Aのリターゲティング配信 で刈り取りを行ったという例になります。
この配信結果を足し上げて、【TOTAL】の値として書いたものになります。

ここで見ていただきたいのが、
「①③⑥」の配信 と 「②④⑤」の配信 の比較です。

各グループを下記のように定義したとします。
①③⑥のグループ ⇒ 低単価グループ

②④⑤のグループ ⇒ 高単価グループ

「低単価グループ(①③⑥)」では、
TOTAL CPMの価格が50円以下になっており、
このコラムの初めの定義である【単価を安く配信できるメニュー】にあたります。

 

今までの概念では、
この安く配信ができるメニューが、優れた集客方法だと定義されることが多かったと思います。
しかし、結果的に、TOTAL CPAを見てみると、いずれも、70,000円以上になっていることが分かります。

対して、「高単価グループ(②④⑥)」では、
TOTAL CPMがほぼ100円以上となっており、
【単価を安く配信できるメニュー】からは、外れるメニューになります。

つまり、少し前までの定義で考えますと、優れた集客方法ではないと定義されがちなメニューになっております。
しかし、実際にはTOTAL CPAで見てみると、いずれも、低単価グループのものよりも優れていることが分かります。
つまり、結果としては高単価で集客させた方が実質最終的にはCVに至っているユーザーが多いということが分かり、かつ、そのCVRはCPCの上がり幅よりも大きくなるという結果が出ました。

もちろんこれは、一つの事例にすぎません。
時と場合によっては今までの定義通り、低単価で集客させた方が優れている可能性もあります。

しかし、今まではその内容は可視化できず、結果として確かめることはできない状況でした。
今回このオーディエンストレンドを実施したことで、オーディエンス配信の活用の効果は、高単価で実施してでもやるべきに値するという一つの例を示すことができました。
これは、広告貢献度可視化において、重要な一歩だと私は考えております。

また、面白い観点としてもう一つ見ていきたいのが、⑤の例です。
DSP単位で見たときに、TOTAL CPAが優れているのがDSP Bで集客し、DSP Aで刈り取るという流れであることだという事実です。
これも面白い観点だと思います。

つまり、今回の結果からは、新規ユーザーの取り込みは、なるべく様々な媒体を活用して網を広げておき、いらない配信を削っていくような動きがベストだということです。
DSP Aで集めたユーザーは必ずしもDSP BでCVするとは限らない。
よって、網を広げておく重要性は求められると考えられます。

今回は、ディスプレイ広告の運用を配信テクニックなどの観点ではなく、マクロな観点でどのように運用していくのか?というお話しをさせていただきました。
引き続きこのオーディエンストレンドに関しましては、考察を重ねていきたいと思います。

 

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ライター:アド論 編集部


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