企業やブランドはマイクロビデオをどう活用すべきか

2014/3/5

マイクロビデオのアプリアイコン画像

「ソーシャルメディア活用」は今や多くの企業がマーケティングコミュニケーション活動に取り入れています。
今年の広告主企業の注目は「オウンドメディア」「コンテンツ」

宣伝会議2014年2月号に掲載された『企業のデジタルマーケティングに関する実態調査』の結果によると、2014年に広告主企業が注目するマーケティング施策・手法のTOP3は「オウンドメディアマーケティング」「コンテンツマーケティング」「スマートフォン向けサイトの最適化」でした。

こうした結果の背景には、スマホの普及とモバイルによるネットアクセスの増加に加え、ソーシャルメディアの企業利用の定着化があると考えられます。消費者とのコミュニケーションにおいて、それまでオプション的な位置付けだったソーシャルメディアの効果が、より重要な位置づけとなり、その効果は広く認められつつあります。

また、ソーシャルメディア等で消費者との直接的な接点を拡大させ、オーガニックに口コミや共有を促進し顧客を誘引するには、必然的にそのタネとなる魅力的なコンテンツが必要です。そのため、企業にもコンテンツの企画編集者としての視点や発想力が求められ、またそうした力の差がマーケティング力の優劣を左右するかもしれないという流れの中で注目が集まっているとも考えられます。

短時間で消費できる「マイクロコンテンツ」が人気に
急成長の「マイクロビデオ」サービス

ユーザーの関心を集め、共感を得られるコンテンツとはどんなものか。そのカギとなると言われているのが「マイクロコンテンツ」です。マイクロコンテンツとは、短時間で楽しめて、モバイル端末でも利用できる小容量なコンテンツのことで、特に音声や動画などのリッチコンテンツがユーザーの関心を集めるだろうと考えられています。

その中でも、とりわけビデオコンテンツの増加が予想されます。Cisco Visual Networking Index(VNI)によると、2017年には、世界全体における消費者のインターネットトラフィックの69%をビデオコンテンツが占めると予測しています。

動画といえば、国内ではYouTubeやニコニコ動画、ツイキャスなどの人気が定着していますが、昨年よりスマートフォンを利用した「マイクロビデオ」サービスが登場し、さらに盛り上がりを見せています。マイクロビデオとは、6秒や15秒といったごく短い時間の動画のことす。

2013年1月に登場したVineは、わずか8カ月で4,000万人以上の利用者を獲得しました。昨年11月には日本語に対応し日本のユーザーも急速に増加しています。また現在、多くの人がYouTubeなどで、複数のVineのマイクロビデオをつなぎ合わせたコンピレーションを楽しんでいる中、今年1月には投稿ビデオをフルスクリーンで連続視聴できるTV Modeを搭載したWeb版も開始しました。

Vine誕生1周年特設ページA Year on Vine
Vine1周年特設サイトの画面

昨年6月には、Instagramも15秒の動画投稿機能を追加しました。また、昨年9月にLineも10秒の動画を送信する「Line Snap Movie」機能を追加しています。

Introducing video on Instagram

Line Snap Movie – Sampleビデオ

事例に見る企業の多様なマイクロビデオ活用法

こうしたマイクロビデオは、一般ユーザーが楽しむだけのものでなく、広告主企業にとっても新しい表現媒体になりつつあります。テレビCMの制作などに比べ比較的低予算で量産でき、またトピックに絡めてリアルタイム投稿したり、ハッシュタグを上手に活用してターゲットに視覚的なアピールができるなどのメリットがあります。

そうしたことから、昨年より国内外の企業がマーケティングツールとしてマイクロビデオを活用を始めています。それらの利用目的は多岐にわたっており、今後はさらに多くの企業が活用するようになるでしょう。そこで、企業の活用事例をいくつかご紹介します。

LENOVO:新製品発売前のティーザー動画
レノボは、昨年10月30日に発表したAndroidタブレット端末「YOGA TABLET」のティーザー効果を狙い、新製品発表の約3週間前にVineを利用しました。従来のタブレット製品は薄型のフラットデザインを採用しているため、シンプルな見た目が美しくもあるのですが、反面、持ちにくい、カバーがないと自立できない、薄型バッテリーの容量が小さく駆動時間が短いなどの課題がありました。

この商品は、大容量バッテリー内蔵のユニークなシリンダー形状ボディと折りたたみ式のスタンドを採用した点が特徴で、その形状を生かして、長時間駆動で、手持ちスタイルかつ角度をつけて自立させることもできる点が差別化ポイントでした。そこで、レノボは従来のタブレット製品が持つそれぞれの課題を新製品が解決するという差別化ポイントごとに複数のティーザー動画を制作しました。

OREO:ユーザーを会話に引き込みブランドを強化 オレオのソーシャルメディア運用は、数あるブランドの中でもトップレベルにあることは有名で、マーケティング業界の方でなくともご存知の方は多いと思います。2012年、オレオはクッキーの「デイリーツイスト」のブランド生誕100周迎えてソーシャルメディアキャンペーンを実施し、100年という歴史あるブランドを若い世代にも浸透させてブランドの強化を図りました。 現在、オレオはVineやInstagramでクッキーを利用した新しいレシピや食べ方のアイディアや、季節イベントなどに絡めたマイクロビデオを配信しており、そのユニークなアイディアやポップさが若年層のユーザーにも受け入れらています。オレオのクッキーがSNS上で会話のネタになるようにユーザーを上手に引き込んで、ユーザーとのエンゲージメントを保ち続けることに成功しています。 Nissan Europe:自動車搭載機能のデモンストレーション 欧州日産は、ニューモデルの日産キャシュカイのインテリジェントパーキングアシスト(自動駐車システム)と360°アラウンドビューモニターのデモンストレーションをマイクロビデオを使って紹介しています。6秒間という制約の中でのデモですが、逆にそのことが、ボタンを押すだけで自動的に駐車してくれるシステムの優れた差別化ポイントがうまく伝わる内容になっています。 撮影環境や画質がよい条件がとはいえませんが、それによってブランドイメージを損なうような印象はありません。マイクロビデオの場合、必ずしもそうした条件が必須ということはなく、コンテンツそのものの魅力の方がより大切だと感じさせるよい事例だと思います。

  アルバイト情報an:販売促進 「全国のanを探せ!」というキャンペーンの告知に活用された事例です。キャンペーンに応募するためには専用のアプリをダウンロードして情報誌のロゴにスマホをかざしてエントリーするという多少手間のかかるステップが必要になります。しかし、その手順を文字で説明するよりもこうしたマイクロビデオで説明された方がわかりやすく簡単な印象を受けます。まさに、ビデオの特性が活かされた利用方法といえます。

SEGA:イベント告知
セガは、先月開催されたジャパンアミューズメントエキスポ2014においてセガブースの様子を投稿しました。このように、現場の臨場感を視覚的にリアルタイムで届けることができる点もマイクロビデオ活用のメリットと言えます。

京都府広報監まゆまろ:自治体の広報活動 まゆまろの投稿はかなりアクティブで、今年に入ってVineを開始して以来、ほぼ毎日のように動画を投稿しており、かなりお忙しいようです。くまもんは全国的にも有名ですが、筆者自身はこのまゆまろの存在をVineで初めて知りました。しかし、Vineを通じてまゆまろの活動を日々見ているうちにジワジワと気になる存在になりつつあり、まさにエンゲージメント体験を実感しています。

以上、本記事でご紹介した企業やブランドはほんの一部ですが、その他の業種業態であっても、またその目的が新商品入荷のお知せや、人材採用、IRなどであったとしても、企業によるマイクロビデオの活用領域はアイディア次第で広げることができます。

Vineでの日本企業の動画投稿はまだ少ない印象ですが、公式アカウントの登録を済ませている企業は増えています。現在投稿準備中の企業アカウントは多く、日々新規投稿が開始されており、企業によるマイクロビデオ活用の実行段階に入ったといえるかもしれません。

弊社におきましても、お客様からのマイクロビデオを活用したキャンペーンやソーシャルメディアマーケティングに関するご相談をいただくようになりました。今後は、そうした弊社が手掛けた事例や効果などもご紹介していきたいと思います。

photo

ライター:アド論 編集部


Contents

ico人気記事