ガリバーインターナショナルは、クルマ屋じゃない?(後編)

2013/12/5

こんにちは! 神谷みめいです。

今回は、前回に引き続き、株式会社ガリバーインターナショナル、
マーケティングチームの北島昇さんと長谷川美佐さんの取材の後半をお伝えします。

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■オウンドメディアについて

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●谷本:
ここ1、2年くらい加速度的に自社のメディア(オウンドメディア)に力をいれていらっしゃいますよね。オウンドメディアの強化にはどういう背景があるのでしょうか?

●北島さん:
オウンドメディアを育てようというよりは、「ガリバーとの出会い方」みたいなことを色々なコンテンツを通して広げているという感覚はあります。オウンドメディアは、価値ある体験っていうものをどう創造していくかということが重要だと思います。

●谷本:
価値ある体験。例えばどのような取り組みを価値ある体験コンテンツとして展開されていますか?

●北島さん:
例えば「リベラーラ(http://221616.com/liberala/)」とか「車と増税(http://221616.com/guide/zouzei/)」などは、コンテンツ自体を充実させて、より多くの人にコンテンツを見てもらいたいと思っていますが、サイトに人を集めるためにコンテンツの主旨を変えてしまう、というのは本来の目的ではない、と思います。やはり人は集まるのですが、そこに自分たちでなきゃできない理由がないんですよね。
インパクトがあって、かつ、自分たちのUSP(Unique Selling Proposition)が生きる場所に特化していくことが、オウンドメディア強化の中に必要かなと思います。

http://221616.com/liberala/  http://221616.com/guide/zouzei/

難しいですが、今ユーザーが流れてきているクエリ―に対してどういうコンテンツを作るか?、ということよりも、夢とか愛とかと一緒で自分たちが将来こうなりたいというものを作りたい気持ちが強いです。オウンドメディアを強化していくにあたり、一番怖いのは、経営者のコミットが薄いことじゃないでしょうか?
そうするとサラリーマン論理になって数字によって決めていくんですよ。でも事業としてこうありたいとか、ユーザーに伝えたい提供価値はこういうことだとか、そこがはっきりしていれば、それを中心に広がっていくと思うんです。
今は、広告依存度を下げていくことで、ROIからのアプローチではなく「お客さまとの最適な出会い方」という部分で頑張ることが必要だと思っています。

●谷本:
わかります。広告に依存しすぎると嫌われてしまう部分も出てきたりするので、ユーザーにひとつ階段を設けて、より踏み込みやすくして、その補完として広告があるっていうのが、本来のいわゆる企業とユーザーとの接点のあり方だということですね。
もちろん思考錯誤とかいろいろあると思うのですが、成果っていう部分では、貴社もしくはご自身の中での評価というのはいかがですか?

●北島さん:
おかげさまでここ2年間くらいの取り組みでSNS、メルマガみたいなものに対して一気に理解が進んだので、ほぼ全て実行させてもらえるようになりました。昔はギャーギャーやってたのですが、今はオウンドメディアの提案は即時OKが出ます。
あとは出会いの「点」が増えたおかげでユーザーさんの理解が凄くしやすくなりましたね。
それはSNSで傾聴などの議論はたくさんあるのですが、ユーザーはもっと進んでいるとも思います、例えば「ガイアの夜明け(http://221616.com/gulliver/news/media/20131001-11073.html)」でガリバーのいくつかの店舗が紹介されたのですが、それを観た人がTVを観た後にガリバーのサイトを訪れて、どんなページを見るかというと、意外に店舗ページを見られる方が多かったんですよ。

http://221616.com/gulliver/news/media/20131001-11073.html
これが何を意味しているかと言うと、一般的なメディアというものの捉え方が違う、ということだと思います。ユーザーにとっては店頭もメディアなんです。店頭っていうメディアをオウンドメディアとして、もっとうまく使えるんじゃないかなと思っています。

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■ガリバーの新ビジネスに迫る
●神谷:
「HUNT PROJECT(http://bla.bo/projects/hunt-by-gulliver)」は、すごいですよね。

http://bla.bo/projects/hunt-by-gulliver

●北島さん:
これお店なんですよ。房総半島のショッピングモールに大きなお店を作ります。このサイトでアイデアを募集し、建築家とガリバーがそれをカタチにするというものです。
単純に刹那的なニーズに対するベネフィットじゃなくて、お店を作るそのこと自体が、その街とか地域の問題解決、そして自分の解決になるっていうものにしたいと思っています。

●谷本:
レジャー事業領域に踏み込むような新しい事業体ですね。

●北島さん:
はい。会社の新規事業のタイミングで、広告ビジネスを新しく考えています。広告といってもトライアルユーザーを獲得するための場所です。ここは100万人の人が通るわけですが、逆に言うと何年に一回しか用のないお店になってしまうと困るわけですね。じゃあ車買う時にいこう、って。そうならないためには、日々役に立つ場所とか楽しい場所でなくてはならない。そうすると車屋の顔と、まったくニーズがなくても意味のある場所にしなくてはいけないと思っています。

●谷本:
生活インフラ的な場所になれたらいい、みたいなことですか?

●北島さん:
そうですね。では、そのために「我々は、なんで車を売っているのか?」というところまで考えたんです。その答えって、結局人の人生とか生活は、新しいもの、新しいこと、新しい人と出会わない限りはそう簡単に彩られていかないのではないか、それを私たちは「車」っていう道具を使って解決していけばいいんではないかということなんです。
その考え方にパッケージできるものは全部入れていこうよ、ということをテナントさんと話しています。
すごく大変なプロジェクトですけど。

●神谷:
最近のプロジェクト、特に震災以降のものを見るとファミリーや子どもなどを意識しているようなプロジェクトが色濃く感じられるのですが、これもそういうところを意識されているのですか?

●北島さん:
今回もショッピングモールという場所なので、家族が多いわけですよ。家族を狙ったから出したというよりは、その場所に合ったコンテクストでちゃんと作っていくという感じですね。

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■ガリバーがプロモーションで一番意識していることは?

●谷本:
ガリバーさんらしさみたいなものがあれば教えてください。

●北島さん:
特に今意識しているのは効率よりシェアアップ。つまり、プロモーションの組み方、出稿の論理は、ROIベースでやりすぎちゃいかん、と。それは結局効率の話でしかないので。効率が全てだとは思っていません。

我々が意識しているのは2つで、ひとつは「自分たちがやる意味があるのか」ということです。「自分たちだからできるか」「自分たちにどれだけやる大義があるか」ということが大事。それが効率論に負けるというのがすごくイヤなんです。

もうひとつは、何か「新しい挑戦」があってほしい。だから、「何が新しい挑戦か」というのを答えられない施策は、あんまり通したくないですね。やっぱり上手く回したら安心という意識が強い仕掛けにしたらいかん、と私は思うんですね。否応にも新しいことに挑戦して今の効率の方程式を変えるような、そういうアイデアを出していかないといけないと思います。
我々は、リスクをとって、効率の方程式じゃないものを作る。だから代理店に丸投げではなく、共に考えていこうという姿勢で、新しいリスクテイクが生まれてくる組織にしなきゃいけない。その辺がプロモーションですごい大事かなと思います。

●神谷:
そういう考えが出てくるガリバーの風土というか、どうしてそういう議論が社内でできるのかなっていうのがとても興味があるんですけど、北島さんがそういうマインドが強いのか、チームとしてなのか、会社なのか…。

●長谷川さん:
会社として基本的に「新しいものに挑戦をする」というのが1番根っこの根っこにあるDNAみたいなものとしてあります。

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●北島さん:
そうですね。そういうメンタリティが会社にはあると思うんですよ。会長に相談すると、ぐーっとひとつ目線を引き上げられるようなフィードバックを受けます。結果、色んな人を巻き込んでどんどん広がっていくんです。これは社風ですね。

●神谷:
会長は一時マラソンをしていましたよね。

●長谷川さん:
はい。ただ、マラソンという領域は超えていますが、、1年2カ月かけてパリから東京までのユーラシア大陸マラソンに挑戦しました。(http://challengemarathon.com/)。それを71才で挑戦しました。あれがもう最たるものですね(笑)

http://challengemarathon.com/

●谷本:
やっぱり貴社にとって「挑戦」って言葉は大事なんですね。
夢とか愛とかその部分を忘れない精神みたいなものがユーザーにも伝わってくれればいいですね。

●長谷川さん:
「挑戦」というものともうひとつは「常識にとらわれない」ということ。それが考え方の基本にあります。そこがガリバーらしさだと思います。

●谷本:
なるほど、やっぱり良い意味でガリバーさんは車屋さんではないですね。本日は、貴重なお話ありがとうございました。

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ライター:神谷 みめい


コミュニケーションプランナー。東京都立大学法学部卒。大学在学中よりコピーライターとしてデザイン会社に勤務。主に雑誌、カタログ、ポスターなどの制作・ディレクション業務を担当。2006年より現職。ウェブを中心とした戦略・プロモーションのコミュニケーション設計を担当。

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