完全視聴率50%超え!?動画広告の運用とは。

2017/11/9

■注目が高まる動画広告市場

YoutubeやSNSを中心として、「動画」という広告フォーマットに遭遇する機会が増えたと感じる方は少なくないと思います。実際に、インターネット広告市場において動画広告の配信量・配信割合は年々増えており、広告主・代理店・媒体社・アドテクベンダーの各社が注力している領域なのではないでしょうか。


※出典:CyberAgent、Digital InFact(DIF)「2016年 インターネット広告市場規模推計調査」 2017年4月17日

GMOアドパートナーズとしても、マンガ・イラスト・アニメーションに強い動画制作会社である「株式会社シフトワン」と連携し、動画広告のサービス向上・ノウハウ蓄積に関して積極的に取り組んでおります。一方で、広告主様から「動画広告のKPIをどうすればよいのか分からない。」というご相談を受けることが多々あります。動画広告は”認知”を目的として活用されることが多く、
どの指標を以て「ユーザーが認知した」とするのかが不明瞭なのは事実です。テレビCMなどではエリア別にA/Bテストを行い、配信エリアごとの売上・来店者数などで評価することが多いようですが、Web動画の場合はどうでしょうか。視聴回数、完全視聴率、ユニーク視聴者数、クリックなどなど、広告指標を上げるとキリがないです。


出典:Digital InFact(DIF)、Macromill 「動画広告市場の業界動向アンケート調査 2017」 2017年2月6日
※1 … Click、CPC、CTR ※2 … CV、CPA、CVR ※3 … 特定セグメントへのリーチ数、またはリーチ率

こちらのグラフは各社、どのように動画広告を評価しているかというものです。

やはり1位、2位は動画ならではの指標となりましたが、次いでクリックやコンバージョンなど、ユーザーのアクションを指標とする担当者も少なくないようです。またブランド認知度、好意度、購入意向など、恐らくアンケート調査で成果を確認するケースもあるようです。

 

■認知ってナンダ?

そもそも認知とは何なのか。簡単に説明すれば、その商品・サービスを知っているということですが、認知にもレベルがあります。
企業名だけ知ってほしいのか、商品名・サービス名まで知ってほしいのか、その商品・サービスの特徴まで知ってほしいのかによって、打ち出すクリエイティブ・ブランド要素はかわります。それと同様に、追うべき指標もかえなければなりません。

すごいシンプルに、

A. 全ての人
B. 名前は知っている人
C. 商品の特徴まで知っている人

とユーザーの認知状態を三階層に分けた時、それぞれのユーザーにどのようなアプローチをかければよいでしょうか。例えばA⇒Bの状態にリフトアップさせる場合、Bに対して広告配信をするのは非効率的ですよね。この場合、Aに対して、いかに効率的に訴求ができたかが評価となるため、重要な指標は視聴数や、視聴単価なのではないでしょうか。同様に、B⇒Cの状態にリフトアップさせたい場合は、Bに対して、いかに効率的に訴求できたかが評価となるため、少し強引ですが完全視聴数エンゲージメント数なのではないでしょうか。そもそもどのようにユーザーの認知度によって配信の住み分けをするのか、クリエイティブはどうなんだという問題がありますが、とにかく認知施策の目的・ゴールによって見ていく指標は変えなくてはなりません。

 

■Hagakureとの逆行。

さて今日、コンバージョン最適化機能を活用した広告配信が主流になる中で、動画広告指標における最適化機能はまだまだだと感じています。ダイレクトレスポンス型の広告であれば、極論誰がコンバージョンしても売上・数が増えれば良い、という判断の元コンバージョン最適化機能は存在しています。そのため各媒体のエンジンが「コンバージョンしそうなユーザー」に対して積極的に入札を強めていきます。しかし動画広告の場合、誰にでも広告を当てていいというわけではありません。例えば男性に対して女性用商品の広告を当てることは、中にはニーズがあるかもしれませんが極めて非効率的です。例えば完全視聴率を元に配信が最適化された時、「女性用商品なのに、可愛いタレントを起用しているため男性の方が多く配信されてしまった」という事象が起こりかねないのです。このように動画広告の最適化機能は、広告主のペルソナ設定・ターゲット戦略と相反する可能性があるので、発達しにくい、発達しても使いにくいのではないでしょうか。

上述の仮説を元に適切な配信方法を考えたところ、私が出した結論はHagakureとの逆行でした。具体的には「有効なターゲット層に対して、できるだけ細かく広告グループを分ける」というものです。なぜならHagakureは、媒体の最適機能を最大化するアカウント構造であり、最適化機能が脆弱な動画広告においては、この構造がマッチしないのではないかと考えたからです。

 

■検証結果

検証内容としてはターゲット毎に広告グループに細分化し、ターゲット毎に入札調整をかけていくというものです。Trueviewの場合、「視聴率が高い」⇒「広告の質が高い」⇒「視聴単価が安くなる」というように、通常のリスティングと同じような形で広告の評価が決定するため、視聴率を改善する取り組みは必要不可欠となっています。動画広告の場合、バナーより制作費が高く、そう何個もクリエイティブを準備できるものではありません。そのためターゲットの精度を高め、視聴率を改善する必要があるのです。またTrueview配信はターゲティング毎に入札調整ができないため、ターゲット毎に広告グループを作成する必要があるのです。

今回は合計で広告グループを42個作成。各グループに対して様々なターゲティングを設定し、細やかな入札調整を行いました。結果として配信開始時は35%だった完全視聴率が、約2週間で完全視聴率50%を超える結果となりました。

■最後に

CM含め認知型広告における”広告貢献度の可視化”は市場として永遠の課題だと考えています。しかし近年アドテクノロジーの発達や、総合広告代理店によるデジタル領域への積極的参入によって、少しずつその方程式が解かれようとしています。
今回紹介した方法は旧来の運用手法となっていますが、恐らく現在ではこれが最も効果的な運用手法となっております。しかし機能改善などにより、いつまでもこの運用手法が正しいとは限りません。引き続き時代の潮流に合わせたご提案・事例紹介をおこなってまいりますので、お困りの方はぜひお問い合わせ下さい。

photo

ライター:西方 一行


デジタルマーケティング本部コンサルティング部所属。2014年に上級Web解析士取得。アジアでサービス展開をするベンチャー起業を経て2015年にGMO NIKKOへ入社。Google Analyticsやタグを活用した分析・提案を得意としている。

Contents

ico人気記事