AdWordsスクリプトを使ったら手をかけずにCVが130%になったお話

2017/7/18

1. Hagakureのゴールとは

Googleが推奨するHagakureとは、端的に説明をすると「インプレッションシェア」を最大化し、「機械学習」によってアカウントを改善するという運用方法のことです。では、Hagakureに沿ったアカウント構造にした後は、どのようにアカウントを改善していけば良いのでしょうか。

前回、こちらの記事で(⇒http://ad-ron.jp/?p=11660  )マイクロコンバージョンを活用することで、自動入札の精度を向上させる方法をご紹介しました。今回は、より根本的な「クエリ追加」をも自動化する方法を紹介します。クエリ追加とは、ユーザーが実際に検索したキーワード(=検索クエリ)を広告のターゲットキーワードとして登録することを指します。クエリ追加を定常的に実施することによって、精度の高い配信トリガーが増え、CTR、CPCの改善が見込めます。クエリ追加は基本的な改善方法として実施をしていますが、運用担当者や案件によってその頻度は決まったものではなく、細かく対応できていない課題をもつ案件も少なくないのではないでしょうか。

 2.Adwordsスクリプトとは? 

Adwordsスクリプトとは、ブラウザベースの IDE で、シンプルな JavaScript を使って AdWords データをプログラム制御するための手法です。1 つまたは複数の AdWords アカウントを対象に、一般的な作業の自動化や外部データとのやり取りを実現できます。
(※GoogleDevelopersページ抜粋。⇒https://developers.google.com/adwords/scripts/?hl=ja

要は管理画面上で行う操作を、JavaScriptによって自動的に処理させることができる機能になります。例えば曜日毎に広告文を出し分ける、外部データとの連携し気象予報のデータを元に入札に強弱をつける、などが可能になります。この機能を活用して、指定した条件にマッチするクエリを取得し、キーワードとして登録するまでを自動的に行います。仕組みとしては下図の通りです。

AdwordsAPIは基本的に管理画面上の数値をほぼ全て取得できるので、どんな条件でも設定可能です。検索ボリュームを増やしたいのであればIMP1以上のクエリを部分一致で追加をする、コンバージョンの精度を上げたいのであればコンバージョン単価が○○円以下のクエリを完全一致で追加をする、などのように目的に合わせて設定を行います。

今回はクエリ追加による効果改善が目的なため、下記の条件でAdwordsスクリプトを設定しました。
_____________________________________________________________
・過去14日間の検索クエリ
・コンバージョン数1件以上
・コンバージョン単価700円以下はフレーズ一致で登録。
・コンバージョン単価1,000円以下は完全一致で登録。_____________________________________________________________
Adwordsスクリプトでは「1時間毎」「毎日」「毎週」「毎月」というスケジュール設定も可能であるため、上記で挙げた「担当者によって頻度がバラバラ」という属人的な課題を平準化することもできます。

3.導入結果 

導入後、約2週間で数値を集計した結果、コンバージョン単価を改善しながら獲得数を伸ばすことができました。配信トリガーを増やしたことで、表示回数・クリック数は拡大し、獲得精度の高いキーワードのみ追加したため、全体としてCVR、CPAも改善がされました。今回はCTRを条件としていないため、導入前と導入後で大きな変化は確認できませんでした。クリック単価に関しては、新規キーワードを大量に追加したため初動としては高騰する結果となりました。ちなみに、約2週間で追加したキーワード数は全部で861件となっています。

この結果を見て、クエリ追加の必要性は分かっていただけたかと思いますが、導入前と導入後の”前後比較”であるため、需要変化の可能性も払拭できません。

ではAdwords以外の実績はどうだったのでしょうか。

全体の獲得のトレンドは+13%だったので、確かに導入前と導入後で需要増のトレンドはあったようです。ただAdwords経由のコンバージョン増加率と、それ以外を経由したコンバージョン増加率を比較すると、Adwords経由の方が増加率は高い結果となりました。つまり、全体の需要増トレンド以上の結果を出せたと判断ができます。

もう一点、この施策はあくまで”リスティング広告上”の施策であり、網羅的なキーワード追加は自然検索経由のコンバージョン件数を減少させてしまうのではないか、という懸念があります。では、自然検索経由のコンバージョンの変化はどうたったのでしょうか。自然検索のコンバージョン増加率は+5%であり、全体の増加率と比較すると低い傾向にあります。この結果から、確かにリスティング広告が自然検索のシェアを奪ったという懸念は残ります。しかし、”Googleの検索エンジン”経由ではどうでしょうか。全体の増加率13%と比較すると、結果は16%となっているので需要増以上の結果を出せたと判断ができます。

4.数値集計まで自動化 

良質なキーワードを自動追加することはできるようになりましたが、キーワード数が増える分、今度はレポーティングが煩雑になります。ですので、今回は更に数値集計もAdwordsスクリプトを導入しました。仕組みは簡単で、AWQLで取得した数値をGoogleスプレッドシートに反映させるだけです。

また更にGoogleスプレッドシートと、弊社で活用しているBIツール「Tableau」を連携させることにより、大量のデータを迅速に分析することができます。このように配信中のキーワードをマッピングすれば、自動追加によって意図しないキーワードでの配信やCPAが悪いキーワードを管理することができます。更新も全て毎日自動で行われるため、集計の工数もかかりません。

5.最後に 

今日、運用型広告における”運用”は広告媒体の自動入札機能に任せようという潮流となっています。その中で、細かいキーワード追加やレポーティングまで自動化をした先に一体なにがあるのでしょうか。Google社ではクリエイティブさえも自動化を目指す動きが取られているのも事実です。

まだまだ自動化できる領域は限られていますが、今後どんどん自動化できる領域は広がっていくでしょう。(クリエイティブなど)また同時にマーケティングの手法も広がり続けています。その中で勝ち抜いていくためには、自動化することができる領域は自動化し、それによって空いた時間を新しい領域に投資していく必要があると考えています。

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ライター:西方 一行


デジタルマーケティング本部コンサルティング部所属。2014年に上級Web解析士取得。アジアでサービス展開をするベンチャー起業を経て2015年にGMO NIKKOへ入社。Google Analyticsやタグを活用した分析・提案を得意としている。

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