ATS Tokyo 2016 イベントレポート

2016/10/27

ATS Tokyo 2016が、2016年10月20日(木)にウェスティンホテル東京にて開催されました。

ATS Tokyoは日本のプログラマティック・マーケティングおよび広告業界のトレンドをテーマに、一日かけて開催されるイベントです。今年はPMP(プライベートマーケットプレイス)やビューアビリティ、ヘッダービッディングなど、旬のテーマを織り交ぜながら、マーケターやパブリッシャーの課題と今後の展望について、様々な角度から講演やディスカッションが行われました。

本記事ではそんなATS Tokyo 2016の様子をレポートしたいと思います。

Header Bidding

今回のATS Tokyo 2016では、Header Biddingに言及するセッションが非常に多く見られました。Header Biddingは広告配信面となるウェブサイトのヘッダー部にSSP等のタグを組み込むことで、アドエクスチェンジにデータを渡す前に広告を買い付けることができるようにする技術です。メディアにとって収益改善につながるだけでなく、広告主にとっても良質な広告枠へ出稿しやすくなります。

オープニング基調講演と対談 「パブリッシャー及び広告主にとってのヘッダー入札のデータ価値」ではHeader Biddingの広告主にとってのメリットについて、
・これまで出すことができなかったインプレッションにアクセスできる
・費用対効果を最大化でき、広告効果が見合う
・SSPの階層構造などによる読み込み遅延などの問題に巻き込まれない
といったものが挙げられていました。

また、講演とパネルディスカッション「データとテクノロジーがいかにメディア取引を進化させたか」では、SSPが「買う在庫」と「買わない在庫」を分けてから入札が始まる従来の入札方式に対し、Header Biddingではインプレッションのすべてを見た上で買うか買わないか判断することができるという利点を指摘していました。

日本においてはまだこれから発展していく段階の技術ですが、注目すべきキーワードの一つだと感じられました。

ユーザーは広告をどう捉えているか

広告を出稿した際に、広告を目にしたユーザーがどのように感じるのかということは、広告主にとっての普遍的な問題だと思います。ATS Tokyo 2016はユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス)についても様々な議論が交わされました。

講演と対談「消費者インサイトから見る、デジタル広告ソリューション需要の変革〜消費者調査レポート2016中間レポートを公開!〜」によれば、広告をクリックしないユーザーは57%、広告を不快に感じることがあるというユーザーは77%にのぼります。

一方で、クリックしなかった広告について「覚えている」ユーザーは65%、広告を見て、その場ではなく後日購入したことがあるユーザーは63%となり、その場での購入を目指すのではなく検討を促したり、ブランディングを目的にしたりした広告も有効だという示唆になったのではと思います。

講演と対談「広告が嫌われる時代!分散型メディア時代のデータ活用と、ブランドの顧客育成」では、スマートフォンの登場により、TVや新聞よりもスマートフォン上のプラットフォームで見られる「TV的な」「新聞的な」ものをユーザーが好むようになっていることを指摘しました。タイミング次第で「好かれる」広告もあるとして、一日の中で適切なタイミングで情報を届けたり、目的によっては広告を「見せるだけでいい」「嫌われないようにする」といったスタンスも必要だと述べていました。

マーケターの課題

そして、メディアの在り方やアドテクノロジーの今後に焦点を当てたセッションが多い中、広告主側であるマーケターが多数登壇したのが最終セッションとなるパネルディスカッション「マーケッターが考える、プログラマティックマーケティングの現状とこれから」です。

プログラマティック・マーケティングが事業にどう貢献できるかという点については、柔軟性を挙げる声が複数ありました。紙媒体やCMに対して、状況に応じて出稿先や予算などを柔軟に変更できることで、効率のよい施策が実施しやすい点が、やはりインターネット広告の利点として大きいようです。

自社の目標を達成するための戦略という話題では、予算の8割で目標を達成し、残りの2割で新しいことに挑戦する、「チャレンジ枠を常に持つこと」の必要性が指摘されていました。また、PCでCVする人が多いためにスマートフォンの予算が軽視されてしまったり、Webが好調でも店舗が不調になってしまうケースもあることから、様々なチャネルのユーザーに意識的にリーチする重要性も挙げられていました。

今後解決していきたいこととしては、「ラストクリックCV以外の指標で評価してみたい」「ビューアビリティに関する指標を取りたい」「広告を出稿しなかったときと比べてのリフト分を測りたい」といった計測指標に関する課題が多く挙げられたほか、スマートフォン対応についても複数の企業で課題を感じていました。

マーケティングの現状から最先端のアドテクノロジーまでを一日で濃密に語りつくしたATS Tokyo 2016は、盛況のうちに終了しました。今後のプログラマティック・マーケティングの展開について、様々な示唆が得られた一日だったように思います。この記事をご覧の皆様も、この機会に改めて、普段展開しているマーケティングに加え、新たなチャレンジを検討してみてはいかがでしょうか。

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ライター:アド論 編集部


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