【後編】人工知能にクリエイティブはつくれるのか?

2016/8/24

先日掲載した「人工知能にクリエイティブは作れるのか?」後編として、一般財団法人 プロジェクションマッピング協会の代表理事 石多 未知行さんのインタビューをお届けします。前編はこちら

下條:
人工知能が降臨するプロジェクションマッピング国際大会について教えてください。

石多さん:
実は日本(神奈川県逗子市)で2012年からスタートしていました。アジアではこうした国際コンペは日本だけなんです。
規模は年々大きくなり、昨年の動員数は47000人ほどでした。

今回の大会エントリー数は75で、世界の24の国と地域から応募が寄せられています。(今回のリリースより)
http://www.dreamnews.jp/press/0000136786/

ちなみに海外では有名な国際コンテストが幾つかあります。

まずモスクワ(ロシア)の大会でCircle Of Light! です。
http://www.lightfest.ru/en/
このコンテストでは3分以上の作品が30作品ぐらい流れます。すべてをみるのに2-3時間かかるので結構疲れます。

もうひとつ海外で有名なコンテストはブタペストのアイマップです。
ここはプロジェクターを100台使う大迫力なイベントです。

こちらでは100台のプロジェクターを使った巨大なプロジェクションマッピングでコンペをするのですが、世界中から主催者にあらかじめ選考された6組ほどのクリエイターの作品によって競われます。
実は日本のコンペはオーディエンスの事も考えひとつの作品が1分から1分59秒の尺で、決勝は16作品映写しますので全体で1時間ぐらいで見れるという特徴もあります。

下條:
コンテストの順位はどのように選ぶのですか?

石多さん:
大会最終日に審査会があります。
今回の大会では
・昨年度の優勝のクリエーターのNEBA Studio
・世界的有名なBordos ArtWorks(ハンガリー)
・デジタルハリウッド大学 学長の杉山さん
・プロジェクションマッピング協会の関係有識者
・新潟市の関係者
・オーディエンス
といった審査員で選びます。

下條:
昨年優勝した作品はどんな作品なんですか?

石多さん:
1位はマカオ ネバスタジオ 若いチームで映像の技術が高いわけではないが、演出が非常にチャレンジングでした。見せ方も面白くて総合的に1位になりました。

実は1位,2位は僅差だったんです。

2位(メキシコのAVA)の映像クオリティーが高かったが、コンペの特質上チャレンジしているマカオの作品を選びました。

審査ポイントは下記5個がありますので、オーディエンスのみなさんも是非審査ポイントに注目して作品を見ていただければと思います。
・オリジナリティー
・映像制作の技術
・プロジェクションマッピングとしての面白さ
・テーマにどう答えていくか
・演出と完成度

さらに今回の映写される場所ですが、新潟市 歴史博物館(幅64m×高さ20m)で洋風の建物なんです。こちらは柱や窓が陰影がありプロジェクションマッピングしやすい建物なのでいかに建物に映像がマッチしているかみていただければと思います。

■新潟市 歴史博物館
http://www.nchm.jp/

下條:
石多さんは海外のプロジェクションマッピングも多数見ているとの事ですが、日本と海外の作品の差や違いってあるんでしょうか?

石多さん:
日本のクリエーターは映像として綺麗ですし分かり易さがあります。その一方作品としてのオリジナリティーや空間の使い方が苦手な傾向があります。
プロジェクションマッピングという表現上、空間演出や光の演出が非常に重要になります。

海外の作品はアート性が非常に高い。アーティストもまだ見たことないものを創り出そうとしています。さらにヨーロッパのクリエイターは空間や光の演出が日本と比べるととてもうまいんです。
僕の考察では、人々をとりまく太陽や空気の有り様が異なることから来ていると考えています。絵画でもそうなのですが、欧米の渇いた空気と太陽の光は強い陰影を生み出し、日本の場合は霞がかかったような淡い光で、諧調豊かな空気感が特徴です。それがそのまま表現の違いにも出ています。絵画や彫刻、そして建造物を見ても西洋は光と陰影の取り入れ方が積極的で、陰影自体をビジュアライズしていくカルチャーがあります。

そうしたポイントも鑑みて、オーディエンスの皆さんもこの作品が日本人アーティストか海外アーティストかなど注目してみて頂ければと思います。

下條:
今回はインタビューありがとうございました。
アジア唯一のプロジェクションマッピング国際コンペで日本人アーティストVS海外アーティストも楽しみですし、人工知能の作ったプロジェクションマッピングも超楽しみです。

さて9月は新潟で歴史的瞬間をこの目で見るしかないですね♪
下記イベント情報です。

■イベント情報

企画タイトル:1 minute projection mapping 2016 (The international projection mapping competition)
開催日:2016年9月16日(金)~19日(月祝)の4日間
開催時間:18時30分~21時
会場:新潟市歴史博物館 みなとぴあ
主催:にいがた☆MINATOPIKA2016開催実行委員会
テーマ:DOOR 募集の映像:1分~1分59秒
全体の上映時間:約45分程度
上映作品数:コンペ作品10~16、ゲスト作品2~3
ゲスト:昨年度グランプリ、世界的なクリエイターチーム等
審査員:主催企画関係者、有識者、地域関係者、協賛社、等
その他催し:オープニングパフォーマンス、ゲストトーク、公開審査会、ライトアップ、物販屋台、等 鑑賞客席数:鑑賞券エリア500席、一般エリア4500席(予定)

チケット情報はHPでご確認ください。8月末予定
詳細はHPをご確認ください。
http://www.projection-mapping.jp/?p=1952
【東アジア文化都市2015新潟市】にいがた☆MINATOPIKA ダイジェスト
https://youtu.be/eBcC0sw4itg

photo

ライター:下條 泰朗


2001年 法政大学 経済学部卒業
2004年 株式会社日広(現 GMO NIKKO株式会社)入社

GMO NIKKO株式会社でコミュンケーションプランナーとして従事。
ユーザーとのコミュニケーションのあり方が複雑に変化する中で、マーケティング課題を最短で解決するアイディアを提供する。

★受賞暦
第2回 ワンクリックアワード 中島伸也賞受賞
第6回 東京インタラクティブアドアワード インテグレイテッドキャンペーン部門 銅賞
2008年クリエイター・オブ・ザ・イヤー 最終ノミネート

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