【前編】人工知能にクリエイティブはつくれるのか?

2016/8/9

人工知能がプロジェクションマッピングの国際コンペに参加するというニュースを見て驚愕しました。

■人工知能もプロジェクションマッピングに参入?!アジア最大の国際祭典が熱い!

そして疑問が生まれました。
そもそも人工知能にクリエイティブは作れるのでしょうか?
しかも制作難易度が高そうなプロジェクションマッピングです。
そこで今回は記事元の一般財団法人 プロジェクションマッピング協会の代表理事 石多 未知行さんにいろいろインタビューしていきます。

下條:今回人工知能がプロジェクションマッピングの国際コンペに参加するというニュースを拝見し、本当なのかーーーと思いまして本日取材にきました。

囲碁で人工知能VS人間、将棋で人工知能VS人間が大変話題になりました。
今回の構図はプロジェクションマッピングの国際大会で、人工知能VS人間という事になります。

人工知能にプロジェクションマッピングを作ることは可能なのですか?

石多さん:可能です!!どんなものが出来上がるかは現段階では不確定要素が多いですが、作る事自体は可能です。そして今回プロジェクションマッピングの国際大会に人工知能が作った作品も参加します。

下條:実際どのように人工知能にプロジェクションマッピングを作らせるのですか?

石多さん:現在の段階で人工知能は作例などを学習して絵を描くことができます。つまり被写体の建物に絵を描く事は可能になります。

【衝撃】Googleの人工知能が描いた絵が凄すぎる! 絵を見た人「ぎゃあああああ怖すぎる!!」「芸術的だ!!」
http://buzz-plus.com/article/2015/06/22/google-art/

同時に人工知能は画像解析や画像認識が得意で、例えばプロジェクションマッピングに必要な建築物の被写体の窓や柱といった要素を認識させ、そこから類似する画像などを集めさせたり、画像置換などをさせられます。また、フレーム補完して映像化するという技術を利用すれば各シーンごとの間を補わせて動画をつくる事もできます。
さらに過去のプロジェクションマッピングの作品を見せたりして、学習させようとも考えています。

下條:音はどうするんですか?

石多さん:人工知能は音楽も作れるので、音から映像を作るか 映像から音楽を作るかは今考えています。

下條:ぬぬ 本当に人工知能でプロジェクションマッピング作れそうですね。
ちなみにここで生まれた作品の作者は誰になるんですか?

石多さん:作者(クリエイター)は人工知能で 人間がガイドをやディレクターのような役割を担うチーム構成になると思います。

下條:ガイドってなんですか?

石多さん:実は人工知能の弱点は「モチベーション」という概念がないので、作ろうという出発点をつくる事ができないのです。最初の方向性や作品のベクトルを誰かが指示してあげる必要があります。

下條:そもそも今回プロジェクションマッピングに人工知能を持ち込んだ経緯を教えてください。

石多さん:人工知能の囲碁の大会を見ていて思ったのは、人工知能が人間が考えつかない手を打っていた点です。
そして人間がその新しい手筋に戸惑っていたという印象でした。

■グーグルのAI「アルファ碁」が人間に勝った理由とその意味とは?

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/031700211/?rt=nocnt

プロジェクションマッピングでも、人工知能が人間の考えてこなかった表現をみいだせる可能性があるのではないかと考えます。誰も見たことの無いプロジェクションマッピングができるかもしれませんし、駄作が出来上がるかもしれません。

作品としていいものができるかはまだ未知数なんです。ただ、こうしたアプローチによって「クリエイティブ」に対して我々が改めて考えるチャンスともなりますし、これからの表現を考える上での、1つのブレークスルー的な存在となるかもしれません。

下條:今回のコンペでは人間制作の映像も人工知能制作の映像も同時に流れてくるのであれば、オーディエンスに人工知能が作った作品だってばれなければすごい事じゃないですか?

石多さん:そうですね。オーディエンスの皆さまにはどれが人工知能の作品か想像しながら見ていただけるとすごく面白いプロジェクションマッピングの大会になるかもしれませんね。私としてもいつも使っているコンピューターが道具を超える瞬間を見たいですし、そして何が人工知能にできなくて、何が人間にしかできないものかを考えるキッカケになればと思います。

■次回後半ではアジア唯一のプロジェクションマッピング国際コンペ

第5回 1 minute projection mapping 2016 について書きます。
http://www.projection-mapping.jp/?p=1952

photo

ライター:下條 泰朗


2001年 法政大学 経済学部卒業
2004年 株式会社日広(現 GMO NIKKO株式会社)入社

GMO NIKKO株式会社でコミュンケーションプランナーとして従事。
ユーザーとのコミュニケーションのあり方が複雑に変化する中で、マーケティング課題を最短で解決するアイディアを提供する。

★受賞暦
第2回 ワンクリックアワード 中島伸也賞受賞
第6回 東京インタラクティブアドアワード インテグレイテッドキャンペーン部門 銅賞
2008年クリエイター・オブ・ザ・イヤー 最終ノミネート

Contents

ico人気記事