半分以上の広告がそもそも視界に入ってない?DSPにおける視認率(InView%)を検証してみた。

2016/8/4

vCPM(ビューアブルCPM)の時代が到来している

 

インターネット広告の評価指標として視認率・視認時間が注目されております。

TVCMなどのマス広告と比較するとクリック・CVなどの指標が見られる分、「計測ができるメディア」としてインターネット広告は評価されていました。

ただ、実際に配信した広告が”何人にリーチしているのか”という観点では、これまで計測が困難でした。

ディスプレイ広告や動画広告の多くは、CPM(1000回表示あたりの単価)で取引されており、実際に通信は行き交い、広告の表示自体はされているものの、その広告がユーザーの視界に入っていることは保証されてはおりませんでした。

米国ではブランディング広告における掲載基準において視認率の保証を必須としたり、Non Human Traffic(Botなどの不純物)を除外する目的で、導入が進められてきております。

では、日本のRTB市場における広告の視認率はいかほどなのでしょうか。今回は媒体として視認率の計測を行っているDSPを活用し、数値を見ていきたいと思います。

 

DSPにおける視認率は思ったよりも低い現状

それではDSPで配信した結果の視認率を見てみましょう。こちらのキャンペーンは複数の広告主・配信手法合算となっております。またダイレクトレスポンスを目的とした配信が多く、視認率による運用調整をしていない状態と認識いただければと思います。

図1

視認率20%-29%の配信先が全体のインプレッションの40%を占めております。この配信先においてはインプレッションの1/3が実際には見られていないということになりますので、無駄なインプレッションが発生してしまっている状況です。

しかし、ダイレクトレスポンスの効果があっていれば問題無いという意見もあるかと思いますので、視認率がどうパフォーマンスに影響があるのかを見ていきましょう。

図2

一目瞭然ですが、視認率が上がれば上がるほどCTR(クリック率)は上昇傾向にあります。視認率50%以下の配信先に使っていた予算を、視認率50%以上の配信先に利用することによりCTRが上がることが考えられます。また、視認率が極端に低いものについては不正広告の可能性も高いため、除外対象として行くべきでしょう。

視認率におけるCPMには差はあるのでしょうか。CTRがいくら高くてもその分CPMが高ければCPCに換算した時にに割に合わない…なんて事にならないようにこちらも確認しておきましょう。

図3

概ね視認率とCPMは連動しており、視認率が高まるほどCPMが高くなる傾向にあります。また79%-70%の視認率が一番CPMが高くなっております。vCPM(Viewable Impressionを元にしたCPM)では価格が大幅に開いてしまっておりますね。

パフォーマンスにどの程度影響するのか

視認率による数値の傾向は確認いただけたと思います。

アテンションや認知効果を期待する、ブランディングをメインとする広告出稿においては、”見られること”が価値となることも多いと思いますが、パフォーマンスを重視している広告主にとって視認率がどの程度影響するのでしょうか。わかりやすく視認率50%を境に数値を算出してみました。

図4

なんと、CTRは203%改善、CPCは71%安価になりました。単純にCVRが同一の場合だと、CPAを大きく下げることができる計算になりますね。
※今回は複数の広告主のデータをまとめているためCVRの算出はしておりません。

 

視認率をどのように活用していくのか

現状大手広告主のブランディング広告以外では視認率をみた運用というのはなかなか手が回っていないところだと思います。しかし、大前提として広告は見られて初めて価値が出るものであります。インターネット広告だから見られていない広告を出してもいいのか、という点で疑問に思います。

今回はパフォーマンス寄りの数値を出させていただきましたが、次回以降売上にどう寄与できたかや、視認率と配信手法を掛け合わせた事例なども出していければと思っております。

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ライター:平野 駿


GMO NIKKO株式会社 コンサルティング本部 ストラテジック部所属。
法政大学 国際文化学部卒業。新卒としてGMOアドパートナーズ株式会社へ入社。
SEO・SEMの営業を経て、現在はディスプレイ広告の運用、
分析、改善施策の提案などの業務に従事。

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